日本骨代謝学会

The Japanese Society for Bone and Mineral Reserch

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骨代謝とは

骨折を予防するには

骨折を予防するには

骨粗鬆症は、骨密度の値と、椎体(背骨)の骨折があるかないかをX線写真で調べて診断されます。椎体骨折のあるヒトは、骨折のないヒトに比べて同じ骨密度であっても、次に再び椎体骨折を起こす可能性は4倍から10倍高いといわれており、もともと骨折があるかどうかを知ることは重要です。しかも椎体骨折は知らないうちに起きていることもよくあります。

骨を丈夫にするためには-

骨粗鬆症と診断されたら、まず骨密度を増やすことは重要で、そのためには骨粗鬆症治療薬で治療を行います。近年いろいろな作用をもつ薬がありますので、主治医の先生とよく相談して、自分にあった薬を探して治療を受けることが大切です。薬によってはそれほど骨密度を増やさなくても、骨折の発生を著しく減少させる薬もありますので、勝手に治療を止めたりすることがないようにしましょう。食事や運動も大事ですが、すでに骨粗鬆症と診断された方には、それだけで十分ではなく、是非病院で骨を丈夫にするための治療を受けて下さい。

骨折を予防するには、骨を丈夫にすることと同時に ①転倒を予防する ②転倒しても骨折しないようにすることが重要となります。

転倒を予防するには-

日々の暮らしの中にも、骨折を引き起こす原因がたくさん潜んでいます。次のような転倒の危険を避ける工夫をご家族と一緒に検討して下さい。

階段や、段差がある場所(玄関、トイレ、浴室など)には手すりをつける。家の中で段差のある場所は、スロープをつけることなどして極力段差をなくす工夫をしてください。すべりやすい浴室の床には、すべりにくい素材のマットをひくようにし、台所の床など濡れたままにしないように気をつけましょう。また、電化製品のコードに足を引っかけて転んだりしないように、部屋をきれいに片付けましょう。他にも、つまずきやすいサンダルや、動きにくい服装など、避けるようにします。

視力が悪くなった人は、つまずかないように特に注意し、視力を得るために眼科医の診察を受けることが必要です。背骨が曲がってきた人は、特に転びやすいものです。このような人は、外出するときには、杖や押し車を使うことをおすすめします。運動は骨密度の減少を予防する作用もありますが、足裁きをよくし、転ばなくするために有効です。適度な運動(ウオーキングなど)を生活に取り入れましょう。筋力やバランス保持にかかわるビタミンD(血清25(OH)D3濃度)が不足すると,転倒しやすくなることも知られていますので、適切な量のビタミンDを摂取することも必要です。

骨粗鬆症にならないための努力は重要ですが、なってしまったら骨折をしないための努力が必要です。骨折のない明るい生活を送るためには、日々の心がけが大切なのです。

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