hiPSC由来血管化骨芽細胞オルガノイドによる、足場支援型ヒト骨髄 endosteal nicheのマクロスケール再構築
Macro-scale, scaffold-assisted model of the human bone marrow endosteal niche using hiPSC-vascularized osteoblastic organoids.
| 著者: | Li Q, Nikolova MT, Zhang G, et al |
|---|---|
| 雑誌: | Cell Stem Cell. 2025 Dec 4;32(12):1941-1958.e8. |
- 骨髄内骨膜ニッチ
- 血管化オルガノイド
- 造血幹細胞ニッチ
論文サマリー
骨髄内のendosteal nicheは造血幹細胞(HSC)の維持・分化制御に重要だが、ヒト由来での再現は困難だった。本研究では、ヒトiPS細胞由来の血管化骨芽細胞オルガノイドと多孔質ハイドロキシアパタイト足場を用い、macro-scaleなヒト骨髄endosteal nicheモデル「eVON」を構築した。eVONでは血管ネットワーク、周皮細胞、神経線維、骨基質様構造が形成され、CXCL12、SCF、VEGF-Aなどのnicheシグナルもヒト特異的パターンで発現していた。さらにin vitroでヒト造血を支持し、培養後HSCは移植後も多系統再構築能を保持した。血管除去やVEGF-A/CXCL12シグナル操作により、endosteal vasculatureの骨髄系分化制御機能も解析可能であり、ヒト造血・白血病・薬剤応答研究への応用が期待される。
推薦者コメント
本研究の意義は、hiPSC由来オルガノイドと無機足場を統合し、ヒト骨髄endosteal nicheを大型かつ血管化された形で再現した点にある。eVONは従来モデルの小型・短寿命・低再現性という課題を克服し、構造、nicheシグナル、造血支持能を長期維持した。ヒトHSCの幹細胞性保持とniche操作を両立し、造血機構や白血病niche、創薬研究への応用が期待される。
髙尾 知佳・宝田 剛志(岡山大学学術研究院医歯薬学域組織機能修復学分野)
(2026年7月15日)



