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思春期ヒト成長板の転写アトラス解析により、2種類の幹細胞集団および成長ホルモンの直接作用を解明

A transcriptional atlas of the pubertal human growth plate reveals two populations of stem cells and direct effect of growth hormone.
著者: Chu NTL, Dregval O, Zaman F, et al
雑誌: Sci Transl Med. 2026 Apr 15;18(845):eadw3590.
  • 単一細胞トランスクリプトーム解析
  • 成長板幹細胞
  • GHシグナル

論文サマリー

思春期のヒト成長板は長管骨伸長を担うが、マウスと異なり閉鎖へ向かうため、ヒトで幹細胞構造や成長ホルモン(GH)の直接作用を調べることは困難だった。本研究は、成長抑制手術で得られた貴重な思春期ヒト成長板を用い、単一細胞解析により細胞マップを作成した。結果として、成長板内には分子特性と増殖状態の異なる2種類の幹細胞集団が存在し、静止期幹細胞は低Wnt・低TGFβシグナル環境に局在することが示された。さらにヒト成長板のex vivo培養系を確立し、GHが間接的にではなく成長板に直接作用し、JAK/STAT、ERK、TGFβ経路を介して幹細胞増殖と成長板伸長を促すことを明らかにした。特にTGFβ活性化は自己分泌的に起こるとされる。本研究は、ヒト成長板の幹細胞階層とGH応答を直接可視化し、小児成長障害治療の理解を深める基盤を提供した。

推薦者コメント

思春期ヒト成長板という入手困難な組織で単一細胞アトラスを作成し、2種類の幹細胞集団とGHの直接作用を示した点にある。従来GH作用は全身性・IGF-1依存に解釈されがちだったが、本研究はヒト成長板局所での幹細胞応答を実証した。基礎発生学と臨床内分泌をつなぎ、GH治療最適化への示唆を与える点が非常に重要である。

髙尾 知佳・宝田 剛志(岡山大学学術研究院医歯薬学域組織機能修復学分野)

(2026年7月15日)