
高齢者の歯に蓄積するコラーゲンのAGEs架橋は強度を低下させる
Comprehensive analyses of how tubule occlusion and advanced glycation end-products diminish strength of aged dentin.
著者: | Shinno Y, Ishimoto T, Saito M, et al : |
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雑誌: | Scientific Reports(Sci Rep). 2016 Jan 22;6:19849. doi: 10.1038/srep19849. |
論文サマリー
ヒト歯の折損は歯牙脱落の要因となるため歯の強度特性の規定因子を解析した.40歳以上と以下の年齢群で強度試験,コラーゲンの架橋分析,ハイドロキシアパタイトの配向性の相関を解析した.高齢群の歯はしなりがなくなり強度低下をきたした.コラーゲンの老化架橋である終末糖化産物AGEsの増加とハイドロキシアパタイトの配向性の低下が強度低下に相関した.歯も骨と同じく材質劣化が強度低下に寄与する.
推薦者コメント
歯は骨と同じくコラーゲン基質の周囲にハイドロキシアパタイトが存在する硬組織である.コラーゲンの悪玉架橋であるAGEsとハイドロキシアパタイトの配向性に負の相関があることを見出した初めての研究である.(東京慈恵会医科大学整形外科 准教授・斎藤 充)