
レプチン受容体陽性の骨髄間葉系間質細胞は成体における骨組織のメインソースである
Leptin-receptor-expressing mesenchymal stromal cells represent the main source of bone formed by adult bone marrow.
著者: | Bo O. Zhou et al, |
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雑誌: | Cell Stem Cell, 15, 154-168, 2014. |
- 骨髄間葉系幹細胞
- 細胞系譜解析
- レプチン受容体
論文サマリー
骨髄間葉系幹細胞の定義は間葉系に属する細胞への多分化能を有することであるが、in vivoでの詳細は不明であった。今回、細胞系譜解析の結果
1) レプチン受容体陽性の骨髄間葉系間質細胞(LepR+)が成長に伴い骨芽細胞と脂肪細胞に分化すること、
2) 創傷治癒過程においては、LepR+が増殖期に移行し骨芽細胞と脂肪細胞に分化すること、
3) LepR+の軟骨細胞への寄与は、骨折と間接軟骨損傷の治癒過程でのみ認められることが示された。
推薦者コメント
同時期に同様の報告がある (Dev Cell, 29, 340-349, 2014)。細胞系譜解析に誘導性Creを用いていない点は残念だが、細胞周期の亢進と骨芽細胞分化が連動するという所見は、新たな骨代謝調節機構の発見を期待させる。(松本歯科大学・溝口 利英)